ナシマルカイガラムシ(サンホーゼカイガラムシ)

・枝への寄生状況    果実への寄生状況

幼果への寄生(6月中〜下旬)

・成/幼虫(上)と貝殻内部の虫体(下) ・成幼虫

・越冬完了期の虫体(平成12年3月14日) ・左の介殻内部

・雌成虫と孵化幼虫(平成12年5月25日) ・雌成虫体内には卵が見られます

カイガラを枝からはがした様子

歩行幼虫(孵化した後移動している様子)

生態と防除

・寄主植物 カンキツ、ナシ、ウメ、モモ、ビワ、ブドウ、クリなど
・加害部位 枝、葉、果実
・発育の経過 (雌)卵 ⇒幼虫(2齢)⇒成虫(無翅)
(雄)卵 ⇒幼虫(2齢)⇒蛹⇒成虫(有翅1対)。
・年間の発生回数 3回(標準的な初発生は5月下旬、7月中旬、8月下旬)。
・幼虫 母介殻内で孵化した幼虫は、介殻外へ離脱後30〜90分の間歩行し定着する。
幼虫発生は午前中にほぼ終了するが降雨があると中断する。
・越冬形態 1齢幼虫(最も発育の進んだ黒色介殻を形成した個体)で越冬し、3月下旬に2齢、4月下旬に成虫となる。
雌成虫も越冬可能であるが越冬後の産出は行われない。
・1世代の発生 5月下旬に初発、幼虫発生最盛期は6月上中旬。
・2世代の発生 7月中旬に初発、幼虫発生最盛期は8月中旬。
・3世代の発生 8月下旬に初発、最盛期は2世代と重なり明確でない。
・1♀産卵数 平均13〜22匹、最多60〜80匹
・天敵の種類 ヒメアカホシテントウムシ、寄生蜂など
・防除のポイント 幼虫発生最盛期が揃う第1世代の幼虫を防除する。
エルサン乳剤等有機リン剤では、ヤノネカイガラムシの防除適期に比べて10〜15日早くする。
薬剤が枝にかかるように丁寧に散布する。

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