かんきつ品種紹介

1.ありあけ

来歴:農林水産省果樹試験場口之津支場において、「清家ネーブル」に「クレメ
      ンティン」を交配して育成された交雑種。平成6年3月登録。

特徴:樹姿は開帳性、樹勢は弱く、葉は密生して小さい。着花、結実性は良い。
     開花はやや早く、成熟期は11月下旬頃、果実は球形で200g程度、無核
     で糖度は12度以上になる。果皮色はオレンジ色、剥皮性は良い。食味はす
     こぶる良い。CTVには弱い。

2.サザンレッド

来歴:農林水産省果樹試験場安芸津支場において、「カラ」に「ポンカン」を交
     配して育成された交雑種。平成7年8月登録。

特徴:樹勢は中、かいよう病に弱いので露地栽培は困難、ハウス(無加温でも可)
     内での栽培が適当。ハウス栽培では結実性は中、果実の大きさは150g程
     度で扁平、果皮は赤橙色、厚さは薄い。1月からは果皮色の退色が目立つ。
     成熟期は2月上旬頃で糖度は13度以上、酸は1%以下になる。クレメンテ
     ィン臭がある。

3.春峰

来歴:和歌山県吉備町の河嶋美樹氏が「清見」に「水晶文旦」を交配して育成し
     た交雑種。平成6年11月登録。

特徴:樹姿は直立、樹の大きさは大、樹勢は強、節間長は長い。花粉は念性、種
     子は少ない。果実の大きさは中、外観は扁円、果皮は黄橙色で果皮厚は薄く、
     滑らか。果汁の甘味は多、酸味は少。育成地での成熟期は1月下旬、貯蔵性
     は大きい。

4.不知火(デコポン)

来歴:「清見」に「ポンカン」を交配して育成された交雑種。登録はない。
     近年、農林水産省果樹試験場においてウイルスフリー個体が作出され、普及
     が図られている。

特徴:樹勢は中、結実し始めるとやや弱くなる。結実性は良い。果実は200g
     以上になり、三宝柑のようなネックが出る。果皮は黄橙色で外観はやや粗く、
     果皮厚はやや厚いが剥皮性は中。12月上旬に着色し、成熟期は3月頃、糖
     度は14度、酸は1.2%程度になる。じょうのう膜は薄く食べやすい。

5.はるみ

来歴:農林水産省果樹試験場興津支場において「清見」に「ポンカン」を交配し
     て育成された交雑種。登録申請中

特徴:樹勢は中、樹姿は「清見」と「ポンカン」の中間、結実性は良いが隔年結
     果しやすい。果実は200g以上になり、小さなネックが出る。果皮は黄橙
     色で滑らか、果皮厚は薄く、浮皮になり、剥皮性は良い。12月に着色し、
     成熟期は1月から2月、糖度は12度、酸は1.2%程度になる。じょうの
     う膜は薄く軟らかい。寒さによる果皮傷害が出やすい。

6.天草

来歴:農林水産省果樹試験場口之津支場において(「清見」×「興津早生」)×
     ページを育成した交雑種。平成7年8月登録

特徴:樹勢は中、樹姿は開帳性、トゲは少ない。結実性は良く、果実は200g
     くらいで、果形は扁球形。果皮は赤橙色で薄く、滑らか、剥皮性は良い。成
     熟期は1月以降、糖度は11度以上、酸は1.3%程度になり食味は中程度。
     そうか病、かいよう病には罹病性だが、比較的強い。

7.津之香

来歴:農林省果樹試験場口之津支場において「清見」に「興津早生」を交配して
     育成した交雑種。平成3年11月登録

特徴:樹姿、樹勢は「清見」と「興津早生」の中間。結実性は良く、果実は
     180g程度着果が多いと小玉果になる。果形は扁平、果皮色は橙色、果面
      は滑らか、剥皮は容易、種子は少ない。12月に着色するが、成熟期は3月
     頃、糖度は12度,減酸は「清見」より遅い。果梗部にヒビ割れが出る。

8.サザンイエロー

来歴:農林水産省果樹試験場安芸津支場において「谷川ブンタン」に「無核紀州」
     を交配して育成した交雑種。平成7年8月登録

特徴:樹勢はやや強、樹姿はやや直立性、トゲが多い。結実性は良いが隔年結果
     の傾向が強い。果実は250g程度で特徴的なネックがある。果皮は黄色、
    果皮厚はやや厚い。2月上旬に成熟期を迎え、糖度は11度、酸は1%程度
    さわやかで食味は良い。種子はほとんどない。

9.ゆら早生

来歴:和歌山県日高郡由良町で発見された「宮川早生」の枝変わり。
     平成7年9月登録 

特徴:樹姿は開帳性、樹勢及び枝梢の太さは中、節間は短い。果形は円形、果実
     の大きさはやや小。果皮及び果肉の色は極早生としては濃い黄橙色。果皮は
     やや厚いがじょうのう膜は軟らかい。極早生としては糖度は高く(12度程
     度)、減酸は中程度。育成地では成熟期は10月上旬。

10.田口早生

来歴:和歌山県有田郡吉備町で発見された「興津早生」の個体変異
    平成7年9月登録

特徴:樹姿は中間、樹勢及び節間長は中、葉はやや大。苗木の生長は旺盛。果実
     の外観は扁球形、大きさは中、果皮色は橙色、果皮厚は薄い。果汁の甘味は
     多、酸味は少(減酸は興津早生よりやや早)。成熟期は育成地では11月上
     旬、浮皮果の発生は少ない。

11.丹生温州

来歴:和歌山県有田郡金屋町において古くから栽培されているが来歴は不明
    登録はない。

特徴:樹姿は立性かやや開帳性、樹勢はやや強、春枝の伸長量は大きく樹冠の拡
     大は早い。ウイルスフリー化によりカラタチ台での生長は旺盛である。果形
     は扁平、果皮・じょうのう膜はやや厚いが浮皮果の発生は少ない。12月に
     成熟し、糖度は12度以上になる。貯蔵して、2月から3月には食味は大変
     良くなる。
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