2003年8月〜収穫時期までの温州みかん品質管理対策

本年の状況
 本年の気象推移は、降雨日数が多く、日照時間が少なく、気温も低めに推移してきた。
果実の品質は、8月15日現在糖度で平年より約1度低く、今後の品質向上のためには、以下の技術対策が必要と考えられる。


1.マルチの敷設
 早生、普通温州では、今後の増糖、着色促進、浮き皮軽減のため、早急に透湿性フィルムで全面マルチを実施する。ただし、敷設時期としては遅れ気味となっているので、土壌の乾燥を待って被覆するか、敷設後フィルムを巻き上げるなどして土壌の乾燥につとめる。また、被覆後、過乾燥は減酸を妨げるのでマルチ栽培指針に基づき少量かん水を行う。
収穫前2ヶ月のマルチ栽培で、糖度は1度以上の向上が見込める。
 また、既設園においても、台風10号の降雨の侵入により水分ストレスの弱い園では、フィルムを巻き上げるなどして土壌の乾燥を促す。

2.結実管理
 着果ストレスをかけ、糖度向上を図るため、9月中旬からの後期摘果に重点を置く。摘果方法は群状結実を基本とし、全面間引き摘果はさける。2S果や天成り果、上向き果等の軸太果を中心に摘果する。また、樹勢維持が必要な場合は局部全摘果も実施する。

3.植物生育調節剤の利用
 1)浮き皮軽減
   クレフノン
    収穫1ヶ月前から収穫直前。散布回数1回。100倍。
   フィガロン乳剤
    1回目:蛍尻期、2回目:1回目散布の2週間後。2,000〜3,000倍
   セルバイン
    8月下旬〜10月中旬。散布回数2〜3回。300倍。
 2)夏秋梢伸長抑制
   秋梢の発生は糖度上昇の妨げとなるので発生を抑制する。
   フィガロン乳剤
    新梢萌芽期(ただし収穫60日前まで)1〜2回。1,000〜2,000倍。
 フィガロン乳剤のウンシュウミカンに対する総使用回数は4回以内。但し、夏秋梢伸張抑制に使用する場合は2回以内。



 参考資料  気象  果実品質