2.特徴
(栽培特性)
樹姿は開帳性、樹の大きさ、樹勢、枝梢の太さ及び粗密は中、枝梢節間長はやや短、とげは無、葉形指数は中、葉身の面積は小、長さ及び幅は短である。
和歌山県吉備町での発芽期は4月2半旬、展葉期は4月6半旬、開花始期は5月1半旬、開花盛期は5月3半旬である。
新梢の発生は中から多、長さは中から短、太さは中から細、結実性、生理落果及び隔年結果性は中である。苗木定植後の生育は土づくりや潅水、適正な防除等伴えば良好である。
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(果実特性)
果実の外観は円、果形指数は115で扁球形、果実の大きさは中、果皮の色は橙、油胞の大きさは中、密度は密、果面の平滑度は滑、果皮の厚さはやや厚、剥皮の難易は易、じょうのう膜の硬さは軟、果汁の多少は多、甘味は多(糖度12度程度)、酸味及び香気は少である。
和歌山県吉備町における着色始期は9月6半旬、成熟期は10月4半旬、果実肥大は良好であるが後半の横径肥大は鈍く、果形指数は下がり、果実は球形に近くなる。夏期の高温乾燥と秋期の少雨により、果汁中の糖度は上昇するので、着色及び減酸の早い極早生の特徴とともに着色が良く、高糖度となる特徴も併せて持っている。
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5.苗木の定植・高接ぎ
苗木定植後の初期生育を促すため、植え付けに際しては植え穴の土づくり(客土、有機物投入)を行い土壌環境を良好にする。植え付け後は十分な施肥と潅水、時宜を得た病害虫防除に留意する。
苗木の栽植間隔は2〜4m×1.5〜3mの並木植えとし、樹間を広くとって樹への日照を良くし、園内での通行を容易にして、管理作業が効率的に行えるようにする。
高接ぎ樹では、接ぎ木後2年間は結実させないで樹勢の回復を図る。
中間台木は樹齢の比較的若い樹を用いる。
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7.施肥・潅水
幼木時には、新梢伸長を促すため、特に潅水を怠らないようにする。また、施肥も十分に行い、栄養生長に支障を来さないよう注意する。
結実し始めれば、高品質安定生産のため、適正な施肥管理に留意する。
施肥量・施肥時期は10a当たりN成分で3月上・中旬6kg程度、10月上旬及び11月上旬に7kg程度合計20kg程度施用する。(県土壌肥料対策指針の極早生・早生種早期出荷型による)。
結実樹への潅水は、減酸を促す早期出荷型では、7月まで十分な潅水を行う。
一方、10月中旬以降に、ほぼ完全着色の高糖度果実を生産する場合は夏期の潅水を少なくする。
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8.結実管理
早期出荷型では、摘果を早めに行いL、M果実中心の生産とし、減酸と脱色を促す。高糖度生産では、着果程度をやや多めにして、M級果実が揃うよう群状結実とする。さらに、着色促進、糖度上昇を図る場合は夏秋期に部分マルチを行う。
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年 月 日 |
品 種 名 |
糖 度 |
クエン酸 |
備考(糖度のMax,Min) |
H10.11.05 |
ゆら早生 極早生A |
11.7 11.6 |
0.80 0.96 |
Max=12.0、Min=11.4 Max=12.9、Min= 9.9 |
H11.10.06 |
ゆら早生 極早生A 極早生N 極早生T |
10.3 10.0 9.8 9.0 |
0.83 0.94 0.85 0.79 |
Max=12.3、Min= 8.4 Max=10.9、Min= 8.8 Max=12.2、Min= 9.0 Max= 9.9、Min= 8.3 |
H12.10.12 |
ゆら早生 極早生A 極早生N 極早生T |
12.0 10.8 10.6 10.3 |
0.99 1.00 1.07 0.90 |
Max=13.5、Min=11.4 Max=11.8、Min= 9.7 Max=11.4、Min= 9.8 Max=11.0、Min= 9.7 |
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