多様な品種の発見・栽培

産地の自立性を向上

みかんの栽培面積を拡大していくなか、有田地域では高い観察力を持った農家が、日々の農作業をとおして数多くの優良品種・系統を発見することで、産地の品種・系統のバリエーションを増やしてきました。

また、多くのみかん産地では産地外の専門業者より苗木を購入しているが、有田地域では産地内の一部のみかん農家が兼業により農家のニーズに応える高品質な土付き苗木を生産しています。

  • きゅうききゅうき
  • ニュー上市ニュー上市
  • ニュー則村ニュー則村
  • 紀州葵紀州葵
  • 植美植美
  • 丹生系温州丹生系温州
  • 田口早生田口早生
  • 林温州林温州

多様な品種の利用

産地内で見出した優良品種 (枝変わり・一樹変異) をはじめ、数多くの品種を利用。

温州みかんの地域別栽培品種数(令和3年産特産果樹生産動態調査)

全国 和歌山県 有田地域 愛媛県 佐賀県 静岡県
117品種 42品種 36品種 33品種 33品種 29品種
有田地域だけで、他産地の”県”レベルの品種数に匹敵

有田地域で栽培されている温州みかん(令和3年産特産果樹生産動態調査)

極早生 上野早生 ・ 日南1号 ・ ゆら早生 ・ 大浦早生 ・ YN26 ・ 楠本早生 ・ 岩崎早生・宮本早生
早生 宮川早生 ・ 興津早生 ・ 田口早生 ・ 松山早生 ・ 木村早生 ・ 原口早生 ・ 山下紅早生
中生 向山温州 ・ 久能温州 ・ 南柑20号 ・ きゅうき ・ ニュー則村 ・ させぼ温州 ・ 繁田温州
普通 林温州 ・ 尾張系温州 ・ 紀州葵 ・ 石地 ・ 大津四号 ・ 古田温州 ・ 杉山温州 ・ 阪和系温州 ・ 川田温州
晚生 青島温州 ・ 丹生系温州 ・ 紀の国温州 ・ 今村温州 ・ 寿太郎温州

「2年生・土付き苗木」 生産が生み出すレジリエンス

  • 乾燥し易い傾斜地においても、定植後の活着が良いように土付きで販売乾燥し易い傾斜地においても、定植後の活着が良いように土付きで販売

産地内での苗木生産

デメリット
  • 病害虫の一斉蔓延リスク
メリット
  • 全国的な苗木不足に左右されにくい産地形成
  • 産地内で見出された優良品種の速やかな普及
  • 産地内の母樹を用いた苗木生産 (コピーのコピーでない苗木生産)
  • 地域品種の遺伝形質の保全
産地の自立性が向上
高品質な苗木生産が可能に

2年生・土付き苗木の生産

デメリット
  • 育苗コスト・輸送コストの増加
メリット
  • 水分ストレスの大きな「階段園」 での安定した初期生育
かん水等の手間の削減により災害からの一斉復旧が可能に
ページ上部へ